エモいコードについてのメモ

これはキャス(1枠目2枠目)で話した内容を文字にしたものです.

メジャーの中にマイナー,マイナーの中にメジャー

メジャーキーの曲の中にマイナーコードを一瞬混ぜる,あるいはその逆をすると,エモくなります

例 1:ちいさい秋みつけた
E minor の曲ですが,「めかくし鬼さん手のなる方へ」と「よんでる口笛もずの声」の二箇所で平行調の G major が混ざります.もの寂しい秋の中にわずかな人の温もりが感じられる一瞬を映し出しているようにも感じられます.

例 2:ブラームスハイドンの主題による変奏曲
これは逆に B♭ major の曲に平行調の G minor が出てきます.一瞬だけ出てきてそのあとすぐに戻っちゃうあたりが推しポイントです.

例 3:Simon and Garfunkel - Bridge Over Troubled Water
多分他にも同じ進行は多くあると思いますがパッと思いついたのがこれでした, 2 番と 3 番の間の間奏(動画内 3 分くらいのところ)の A♭→A♭m→E♭です.曲の中で一回だけ使うとエモくなるというのが自分の中のイメージです.

例 4:ショパン,遺作
これは短調の曲の最後でフッと長調にして終わるやつです.ずーっと C♯minor で悲しい雰囲気が続く曲ですが,最後の最後で C♯ major になって終わります.このパターンは最近の曲でもよくあると思います.

解決前の属和音に色々な音を重ねる

A minor の曲で E→Am という解決をするとき, E のコードに D の音を付け加えて E7 にするのは割とよくやると思います.ここにさらに F とか C とか A の音を付けてみるとちょいエモくできます.どうせ属音の圧倒的な解決力がどうにかしてくれるので,いくらでも汚くして遊べます.

主音を引きずりまくる

まず右手だけで Am→E→Am という簡単なコードを弾いてみます.次にここに,左手で主音 A を重ねてみます.右手が属和音 E を弾いている間,左手の主音 A が残り続けていると,少し深みが生まれます.こんな風に,コードが進行している間主音を残し続けることでエモが作れます.

曲の最後の和音で遊ぶ

曲の最後を単に主和音で終わらせてしまうとつまらないな,と感じたときには,この主和音の上に別の音を重ねて遊んで見るのも良いでしょう.このときにピタゴラス音階( 5 度ずつ重ねるやつ)とかが使いやすかったりします.

音を減らす

主和音の 3 つの音から 1 個抜きます.すると単純ながらも印象に残りやすい響きになったりします.

同じメロディーに違うコード

例 1:灼熱スイッチ(灼熱の卓球娘 op 曲)
アニメ放送当時,コード進行がヤバすぎると話題になった op 曲ですね.コード使いがテクニカルなのでなかなか真似できないんですが,この中で真似しやすいところを挙げるとすれば,曲の後半の方に出てくるサビ直前の「夕陽あびてこぶしを高くあげて明日も頑張るとかたく誓うんだ」のコードが,それまでのサビ直前と変わっているところです.メロディーは変わっていないのにコードだけが変わっています.こういうのが好きなんだってばよ!!!

他(汎用性は低い)

  • A minor の中の B♭.入れ方は複数ありますが, F→G→Am と来そうなところで F→G→B♭とするのが割と好きだったりします.
  • A minor の属和音は E ですが, E→Am の代わりに Em7→Am とするのもうまく使うとめちゃくちゃエモくなります.
  • ラフマニノフのヴォカリーズの中の,歌詞で言うと「アアアアーーアアーーー,アーアーーーアーァァアーーー」のところ(どこだよ).E minor に F の音を混ぜてるところは,本当に何を食って生きてたらそんな音が生めるんだって感じがします.